デジタルトランスフォーメーションがビジネスにもたらす10のメリット

企業は、コロナ禍による混乱を受けて業務をデジタル化する重要な理由として、「効率性」「回復力」「生産性」「ROI」「競争優位性」を挙げています。

デジタルトランスフォーメーションのメリットを十分に享受していた企業は、「クラウド化」「最新のセキュリティ」「アジャイルな企業文化」などビジネスを可能にするあらゆるテクノロジーを駆使して、新しい在宅勤務環境や、新たなデジタルビジネスを迅速に立ち上げることができました。

しかし、デジタル化への取り組みが遅れている企業、非営利団体、政府機関は、今年の急速に変化する経済・社会環境への対応に苦慮していました。

ある大手コンサルティング会社の幹部は次のように述べています。

「多くの経営幹部が目を覚まし、デジタルトランスフォーメーションへの取り組みで足を引っ張るのをやめよう」と警告しました。

2020年半ばにガートナーが行った調査によると、パンデミックによる混乱を受けて、3分の2以上の取締役会がデジタルビジネスへの取り組みを加速させており、約半数の取締役会がパンデミックの結果として組織のビジネスモデルの変更を計画しています。

デジタルトランスフォーメーションとは何か、なぜそれが重要なのか。

デジタルトランスフォーメーションとは、インターネットを利用したツールやテクノロジーを企業のプロセスに導入することで、 ステークホルダー の要望やニーズを満たし、実際にそれを予測することができるようにすることです。

企業は、市場での競争力を高めるために、より速く、より新しい方法で仕事をすることができます。

例えば、最新のセキュリティソフトウェアとクラウドコンピューティングとモバイルテクノロジーは、いつでもどこでも、企業が提供するウェブやアプリに安全かつ確実にアクセスできるようにします。さらに、自動化は業務プロセスをスピードアップし、人的エラーを減らします。

また、自動化は、人間の作業者の注意を、反復可能な平凡な作業から、機械にはできないより価値の高い作業へと移すことで、より良い職場環境を作り、従業員や顧客の体験を向上させることにもつながります。

人工知能は、データを分析して不正行為などの問題を突き止め、その分析結果から学習して収益を増加させる新たな機会を特定することで、組織をさらに変革していきます。

米国で2020年10月に発表された「Voice of the Enterprise」によると、全組織の半数近くがすでに変革に着手しています。レポートによると、企業のリーダーの49%がデジタルトランスフォーメーションの実行段階にあり、15%が評価・開発段階、36%がまだ戦略を持っていないと答えていることが明らかになりました。

今回の調査では、デジタルトランスフォーメーションの効果も確認されました。すでに取り組んでいる回答者の93%が、パンデミック前に行ったデジタル技術への投資がコロナ危機に対応するための俊敏性をもたらしたと答えています。遅れている企業のうち、この評価に同意したのはわずか65%でした。

デジタルトランスフォーメーションのメリットとは?

デジタル・トランスフォーメーション・プロジェクトに期待されることは、プロジェクトごとに、また企業ごとに異なりますが、デジタル・トランスフォーメーションには包括的なメリットがいくつかあり、それらはすべて相互に関連し、相互に依存しています。

1. 作業効率と生産性の向上

デジタル技術は、プロセス¥を高速化し、業務を効率化することで、効率性と生産性を向上させます。例えば、ロボットによるプロセスオートメーション(RPA)は、人間を何倍も凌駕することができます。

IBMは、人間の20倍の速さでタスクを完了したロボットを紹介しましたが、人間のようにエラーを起こすこともありません。ビジネス・インテリジェンス・ソフトウェア(BIツール)やデータ分析ツールは、人間とは比較にならないほどのスピードと精度でデータを収集・分析することができます。

そして、その分析結果をもとにして、従業員は高度なテクノロジーなしには考えられないようなスピードで意思決定を行うことができるようになります。

2. ビジネス資源の改善

企業の変革に伴い、古い業務プロセスに対応していたレガシーシステムを統合し、すべての部門でデータの流れをシームレスにするように設計された最新のシステムに置き換えています。このデジタルテクノロジーのアプローチを主導するCIOなどの責任者は、単にシステムを変更するだけではなく、重複した業務内容や余分なテクノロジー、そして関連するコストを排除することを目的にしています。

さらに、すべて自前で要する必要はなく、サービス型プラットフォーム(SaaSやクラウドサービス)は、必要なときに必要なだけのコンピューティング能力を提供し、まれな使用量のピークに対応するために過剰な能力を支払うのではなく、企業がテクノロジーへの支出を最適化するのに役立っています。

3. レジリエンス(適応力)の向上

デジタル技術を採用し、変化を歓迎するデジタル文化を構築している組織は、コロナが引き起こしたような劇的な社会的・経済的混乱を含め、変化する市場勢力に素早く適応することができます。企業や非営利団体などの組織は、通常のビジネスの浮き沈みだけでなく、一生に一度の大規模な混乱もうまく乗り切ることができます。

さらに、デジタル技術、特にクラウドコンピューティングの普及は、組織の障害耐性をさらに高めます。以前はレジリエンス(適応力)はそれほど大きな問題ではありませんでしたが、コロナ禍により、今では最大の問題になっています。多くの経営者は、デジタルトランスフォーメーションの効果が、よりレジリエンス(適応力)の高い企業の構築に役立つと認識していますが、2020年以降、これらの技術に対して今までよりも高い価値を見出しています。

4. アジリティ(変化への適応力)の向上

デジタルに精通した企業は、変化に対応するだけでなく、変化を利用する能力を持っています。

例えば、デジタルに精通した企業は、クラウドコンピューティングへの依存度が高いため、ニーズの変化に応じて迅速に規模を拡大・縮小することができます。一方、DevOpsやアジャイルなどの最新のソフトウェア開発手法は、チーム間のコラボレーションを強化し、市場のニーズの変化に合わせて新機能を迅速に開発・展開することを可能にします。

最新の調査では「デジタル化が進んだ組織の経営幹部は、デジタル化が遅れている企業に比べて、変化するニーズに合わせてリソースを迅速に再配分する能力に著しく自信を持っている」ことがわかっています。

5. カスタマーエンゲージメントの向上

デジタルトランスフォーメーションの効果は、お客様について知りうる情報を大きく変えることができます。そして、知ることでお客様とどのような関係を築くことができるかが変わります。より親密な関係を築くことができます。

デジタル技術によって、企業は顧客データを収集、保存、分析することができ、それぞれの顧客についてより深く知ることができます。データ分析やAIを活用して、より深い洞察力を得ることができ、お客様それぞれの好みやニーズに合わせた商品やサービスを生み出し、提供することができます。

6. 応答性の向上

デジタルトランスフォーメーションを導入した企業は、顧客エンゲージメントに優れた取り組みを行っているため、進化する顧客の要求や市場のダイナミクスの変化をより的確に予測することができます。

また、技術の進歩により、チャットボットなどを活用することで、お客様を待たせることなく24時間365日、受付対応をすることができます。弊社でコンサルティングをしている企業は、チャットボットを導入したことにより、電話での問い合わせを80%削減することに成功しました。

7. イノベーションの拡大

デジタル化によって、あらゆる業界の企業が、これまで作れなかった製品やサービスを開発する新たな機会を得ています。

  • 工具メーカーでは、業者とお客様のマッチングをオンラインで行っています。
  • パーソナル・ジムでは、リアルタイムでバーチャルな運動指導が行われています。
  • アパレル店では、カスタマイズされたファッションを提供しています。

デジタルによって、企業はより良いイノベーションを起こし、新たなニッチを創造することができます。注目されているのは、アマゾンやグーグルだけではありません。レガシー企業であっても、新しいビジネスを創造しているのです。

8. 市場投入までの時間短縮

デジタルトランスフォーメーションの最大のメリットの一つは、製品のライフサイクルの短縮だと専門家は述べています。これは、開発コストが特に高い業界では特に重要です。

例えば、世界的に不足している半導体を “テープアウト”(≒新たに市場に出す)するのに100万ドルかかるとします。これは、製品を生産する前に合格しなければならない非常に高いハードルです。また、その部品を使った製品の開発も遅れてしまいます。もし、これらをすべてバーチャルで行うことができれば、市場投入までの時間は現在の数分の一に短縮されるでしょう。この先10年で、産業全体の経済性が大きく変わる可能性があります。

9. 収入の増加

SAP Center for Business InsightとOxford Economicsが発表したレポートによると、成熟したデジタルトランスフォーメーションを実施した組織の経営幹部の80%が、その取り組みによって収益性が向上したと回答し、85%が市場シェアの拡大を経験したと答えています。

デジタルトランスフォーメーションは、新しいビジネス機能を提供するための新しいデジタルバックボーンを提供し、今後のビジネスと収益の拡大を可能にします。

10. 継続的な関連性

デジタルトランスフォーメーションは、環境の変化に適応して長期的にも価値を提供するために必要な俊敏性を与え、自分がいる業界のために関連性を保つことができます。

業界全体がデジタルシフトをする流れに取り残される企業とそうでない企業では、ライフサイクルコストが大きく変わってきますし、必要な投資判断がますますできなくなってきます。

まとめ

ここまで10のメリットをみてきました。

総合的に見ていくと、デジタルトランスフォーメーションを進める企業とそうでない企業の溝はますます大きくなり、ビジネスチャンス、顧客との関わり、ライフサイクルコストなど一つ一つが積み重なって、結果として取り返しのつかない状況になることも考えられます。

デジタルトランスフォーメーションは、長い旅でもありますので、まずは計画化をして、小さい改善を着手することを検討してみてはいかがでしょうか。

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