テレワークという働き方が徐々に浸透しつつあり、それに伴ってオンラインでの作業が求められている中、今までの紙媒体の業務が必然的に難しくなっています。
給与明細や請求書、社内資料などを紙からウェブに移行したい、ペーパーレス化導入は決まったけど社内への説得ができていない、導入後のフォローが心配、などそう簡単に上手くは行きませんよね…。
この記事にたどり着いたそんなあなたに朗報です!
最後まで読んでいただければペーパーレス化の良さが今よりもっと明確にそして周りに説明・説得ができます。
「どうしてペーパーレス化がいいのか」
「何がペーパーレス化を阻んでいるのか」
「その壁を打ち砕く方法はどうなのか」
が明らかになることでスムーズにペーパーレス化に取り掛かることができます。
3章では、具体的な進め方を解説しています。
注目していただきたいポイントです。
ペーパーレス化により期待される5つの効果
昨今、沢山の側面で求められているペーパーレス化ですが、導入すべきなんです!
ペーパーレス化をすることで5つの効果が得られます。
コスト、保管場所
紙代、印刷代、インクカートリッジ、印刷機器のメンテナンス費用、文書の郵送・運搬費用、シュレッダー・廃棄業者の費用などの消耗品にかかるコストや、文書保存のためのファイルバインダー、棚の費用、外部の倉庫を借りている場合はその賃料が削減できます。長期的なコスト削減になります。
紙代、印刷代、インクカートリッジ、印刷機器のメンテナンス費用、文書の郵送・運搬費用、シュレッダー・廃棄業者の費用
文書保存のためのファイルバインダー、棚、外部の倉庫を借りている場合はその賃料
セキュリティ管理
紙書類をなくすことで、アクセスや閲覧の権限の設定が可能になりセキュリティ対策ができます。
さらに、クラウド上に保管・保存するのでテロや自然災害、システム障害などの不祥事が起きた場合でも作業が継続できます。個人情報や会社の情報の漏洩を防ぐことができるようになり管理体制の強化もできます。
セキュリティ対策
・電子化すればアクセス権限や閲覧権限の設定が可能になり不正な持ち出しや文書の改ざんといったリスクコントロールが容易
情報セキュリティとBCP(Business Continuity Plan)対策
・ アクセスログ を残すこともできる
・電子保存する際に文書ごとにパスワードをかけることができ情報漏洩チェックが容易になる
・火災や地震などの災害による文書喪失を回避
業務効率化・生産性向上
受発注伝票などの紙の帳票類や勤怠管理シートなどを手でシステムに入力している作業を省き事務処理を効率化できます。
ペーパーレス化をすることでパソコンやスマホでの資料の閲覧が可能となり資料の共有や連絡がスムーズにできるようになります。
そして、デジタルで手続きが可能となるので紙の申請書・稟議書を手渡しで回ったり郵送したり、回覧の手間を省くことができます。
システム上で押印も可能になり業務効率、生産性が大きく上がるでしょう。
ペーパーレス化によって情報の共有がしやすくなる
・パソコンやスマートフォン上で、資料の閲覧が可能となるので、資料の共有や連絡がスムーズに進む
ペーパーレス化によってデジタルで手続きができる
・紙の申請書・稟議書の場合、文書を手渡しして回ったり、他拠点に郵送したり、回覧の手間がかかるがそれを省ける
・上長が社内にいなくても、電子文書であればシステム上で申請内容の確認や押印が可能
検索性、操作性の向上
膨大な紙書類を探すとなるとなかなか求めているものが見つからず作業が進まないなんてこともあると思います。
ですがペーパーレス化で書類や文書を電子化することで必要な書類が簡単にすぐ取り出すことができます。
確認したい文書をすぐに見つけられる
・必要に応じて出力することもできるので、文書管理・保管業務の効率化になる
企業イメージの向上
ペーパーレス化を導入すればテレワークの推進や紙資源の節約による環境問題への取り組み、SDGsにも繋がり、企業イメージの向上になります。
多様な働き方、テレワークの推進
・自宅やサテライトオフィスなど離れた場所でも書類の確認が可能になる
・取引先からのFAXを見るために出社する「FAX出社」をなくす
SDGs(環境への配慮)
・ペーパーレス化による環境問題やサステイナビリティへの取り組みをアピールできる
・紙資源の節約になる
・紙の消費が減ることで、原料である森林の伐採や紙運搬の燃料の削減に。廃棄する紙の量も減るため、廃棄物処理による環境汚染を抑えられる
ペーパーレス化を阻む要因 ~4つの「不安」~
ペーパーレス化をすることで良い影響があることはわかったけれども、それでも、導入になかなか踏みこめないのは、コスト面であったりシステム管理などの不安があるからだと思います。
この章では、ペーパーレス化を進めていく中で生まれる4つの不安を紹介していきます。
お金の不安
誰もが気にするであろう、導入コスト。
システム導入やサーバー・インフラなどの環境整備、セキュリティ対策、デバイスやソフトの購入などにかかる金額は抑えたい、とペーパーレス化に踏み出せない…
導入コストがかかる
・システムの導入やサーバー・インフラなどの環境整備、セキュリティ対策、PCやタブレットなどのデバイスの用意
・デバイス機器やソフトなどを揃えるためのコスト
システムの不安
災害や停電、システム障害が生じた場合に大事な資料や文書が閲覧できなくなったりデータが失くなったりするのではないか?
導入したツールやデバイスが属人化してしまい、社内や組織全体に浸透せず実務レベルでの運用が難しくなってしまうこともあります。
システム障害への不安
・災害や停電などでシステム障害が起こった場合、文書の閲覧ができなくなるのでは、データがすべて失われるのでは
情報管理が困難になる場合がある
・デジタルでの管理と紙の管理が混在して、文書全体の管理が複雑になるのではないか
ツールやデバイスの属人化(一部の人しか使えない)
・ペーパーレス化するためのデバイスやツールが属人化してしまうことで、誰もが気軽に使えない、特定の人しか使えないという状況になり、社内や組織内で実務レベルでの運用が厳しくなる
社員リテラシーの不安
ペーパーレス化をするということは、紙を電子化するということで多少の知識が必要となるが社員全員のIT知識にばらつきがあり全体の作業効率が下がるのではないか、という不安を抱いている
経営陣や社員のITリテラシーが不足
・デジタルデバイスの操作に慣れていない
・ITリテラシーやスキルの不足が認められる場合は、これらを補うための研修、リテラシー教育
社員によっては作業効率が下がる
・ディスプレイ表示は文字が小さい
・パソコン業務に慣れていないので、覚えるのが大変
・デジタルデバイスの操作に慣れていない
業務フローの変化への不安(合意が得られない)
紙の業務をなくし、業務フローを改めることに対して社員の合意を得るのが難しい、業務フローが変わることを理解してもらえないのだろうかという不安が生まれます。
業務フローの変化が嫌がられる
・これまでの業務が定着しているので、今さら変わること、新しく覚えることに抵抗がある。
ルールを変えることが難しい
・社内のルール上、各書類にはんこが必要な場合がある
・現時点で各種契約書や書類を提出する際にハンコが必要
・取引先の理解が得られない
・取引先もFAXなどのアナログ対応がほとんどで、ペーパーレス化への理解がえられないのではないかと懸念
ペーパーレス化の進め方 4つの不安の解消法
2章で挙げました4つの不安を解消するための最高の方法があります。
この章では、それぞれの解決策・打開策を解説していきます。
お金の不安の解消
- 初期費用の抑制
ペーパーレス化を導入するにあたってコストがかかりますが、少ない初期費用で始めることができます。
ペーパーレス化するには文書管理ツールや経費精算システム、情報共有ツールなど様々なサービスや、タブレットを導入してペーパーレス化を進める方法もあります。タブレットや専用デバイスを利用するより初期費用の少ないツールから始めましょう。
一年一万枚の印刷量と仮定した場合、用紙・インクだけで約10万円の節約の見込みがあります。さらに、機械代やインク代、人件費なども含めると年間で数十万円以上のコスト削減が期待できます。 - 「IT導入補助金2021」の活用
まず、IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等が生産性向上のためにソフトウェアやサービスなどのITツールの導入費を政府が支援する制度です。
※ツール・サービスを選ぶときは、IT導入補助金が利用できるものとそうでないものがあるので注意が必要
このIT導入補助金の制度はあくまで中小企業・小規模事業者向けとなっています。
申請の対象となる中小企業・小規模事業者の条件は具体的に定められています。
システムの不安の解消
サービス提供側の対応を確認
システムが使いづらくないか、セキュリティは大丈夫だろうかといったシステムの不安もあるかと思います。
一般的に普及しているサービスだと、以下の点が考慮されているので、安心して活用いただけます。不安の場合は、以下の点を中心にサービス選定時にサービス提供者に確認をとってみてください。
・サーバなどの脆弱性の判定と対策
・通信の 暗号化
・データのバックアップ
・不正アクセスを防止対策
・アクセスログの管理
・その他の障害対応
ご利用頂く側の対策
その他、利用する側でも対策が必要です。
それは主に以下の2点になります。
・利用者のIDとパスワードの管理
社員ごとにIDとパスワードが付与されると思いますが、このIDとパスワードを管理することで、不正利用やセキュリティ対策となります。
パスワードなどは、簡単な「1111」や「生年月日」などの類推されやすいものは、設定しないようにするなどのルールを徹底することが大切です。
・アクセス権の制御
ペーパーレス化を全社的に実施する場合に、何も対策をしなければ、複数のサービスを利用したり、また、一つのサービスでも、個人情報のデータにアクセス出来たりします。
この点を「誰が」サービスの「どこに」アクセス可能とするのかを制御する必要があります。仮にIDやパスワードが不正利用された場合でも、アクセス制御をすることで、重要なデータを守ることができます。
利用できる箇所を限定することで、利用者の利便性も向上します。
社員リテラシーの不安の解消
オンラインミーティングでの社内研修
オンラインで画面の共有をしながら、実際に導入したサービスを触ってもらい、不安を解消することをおすすめします。
日時を変えて複数回開催することで、社員への浸透を図ります。
ご自身で説明することが難しい場合は、導入したサービスの会社に依頼して、社員向けの説明の機会を設けてもらいましょう。
導入サービスのマニュアルを活用
自社のITリテラシーに合わせて、判断になりますが、不安のある場合は、導入するサービスが用意しているマニュアルを活用してください。
利用者が、アクセスできる場所にマニュアルを用意して、誰でも見られる状況にすることで、利便性を高めることができます。
マニュアルを活用しつつも、解消できない場合には、社内に専用の窓口や担当の従業員を設けて、利用に困ったときに解消できるようにしておきましょう。
外部活用した社員教育
社内での研修や担当窓口設置だけでなく、外部のITリテラシー教育に関するサービスなどの活用も効率的です。
・講座受講や研修、講習
・資格取得、受験のサポートや手当
ex)ITパスポート、情報セキュリティマネジメント試験、パソコン検定、IC3、P検(ICTプロフィエンシー検定)、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)、統計士、データ解析、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、データスペシャリスト
・IT関連の資格支援の金銭的援助
・管理権限の設定等ルールや制度面での整備
業務フローの変化への不安の解消
今の業務の課題を共有
業務フローの改善をするためには、まず課題を洗い出し共有する必要があります。そのために2つの手順で進めてみましょう。
業務フロー図の作成
以下のように業務フロー図を書き出してみて、今の業務を可視化することで、全員で共有できる状態を作ります。
業務フローの問題点をヒアリング
上記の業務フロー図を共有しながら、各担当にヒアリングします。
・出社しなくてもできる業務は?
・時間のかかっている業務は?
・ペーパーレス化できそうな業務は?
など、具体的に質問を投げかけてみましょう。
改善計画の作成
上記のフロー図と問題点のヒアリングを元に、改善計画を作成します。
元々のフロー図を改善前の状態として、改善後の状態のフロー図を作成します。
その際のポイントは、以下の3点になります。
- 廃止・削除
現在の業務の中で、無駄になっているものには、廃止の決断をする必要があります。 - システム化(新規導入・システム変更)
現在の業務の中で、システムに置き換えられるところを明確にします。 - 標準化
現在の業務で、みんなが同じ業務をしているが、テンプレートなどが活用できていないところを標準化します。システム化することで、標準化できる場合には、システム化を優先して、一緒に改善します。
Ex) 申請書のフォーマットを統一 など
改善項目ごとに期間と予算を決めて、計画表を作ることをおすすめします。
社内への説明
新しい計画ができて、さらに導入が進み始める段階で、社内の該当する人向けに、説明会を開くことを推奨します。
実際に、オンラインミーティングなどで、画面共有をしながら操作方法や手順を説明し、実際に触ってもらい、疑問点を解消する作業になります。
マニュアル等で見てもらうよりも、実際に触って覚えてもらうことで、補足的にマニュアル化を進めていくことで、効率的に改善できます。
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まとめ
今回は、ペーパーレス化による効果、導入する際の不安点、その不安に対する解決策、そしてペーパーレス化を促進させるツールをお伝えしました。
おさらいになりますが、ペーパーレス化をすることで、業務効率を上げながら月の無駄なコスト削減が期待できます。
みなさまにとってより良い職場環境づくりのために、ペーパーレス化から始めていきましょう。